NO.50 / 2000年5月
- 4月23日名古屋で行われた、原子力事故の自主防災訓練(原子力防災・
市民ネットワーク主催)に参加した。浜岡原発での事故発生を想定。現地から
の避難民を名古屋市栄の矢場公園にて受け入れるというものである。
避難テントではまずスクリーニング(衣服の上から体についた放射性物質を
測定)が実施される。次に問診。いつ、どこで事故を知り、どのようにしてこ
こまで避難してきたか、体調などが記録される。治療コーナーも準備されてい
た。炊き出しは豚汁とおにぎり。
静岡からはもちろん、石川・伊方・東濃・三重と各地からの参加者があった。
市民が避難してきた市民を受け入れるというこの防災訓練の内容に私は驚い
た。今まで原子力防災といえば逃げる側の立場からだけ考えられていたと思う。受け入れる先があってこその避難であろう。
コネティカット州の『防災ガイド』ではそこがきちんと考えられていること
が最大の特徴であるが、日本では受け入れ自治体まで決めてあるケースは皆無
であると思う(あったら知らせてほしい)。
受け入れ先として決まっていようがいまいが人々は避難してくる。
その時行政はどこまで対応できるのか?市民は炊き出しができるのか?